2016.11.18 遠野物語・奇ツ怪其之三

ここのところ観たいなと思ったお芝居が続いて、
先日は三軒茶屋のパブリックシアターで、
「遠野物語 奇ツ怪 其ノ三」を観ました。
今年の6月には遠野にも行ったし、
あの「雁助さん」役の山内圭哉が出演するというので
楽しみにしていました。
「標準化政策」により、逸脱するものを違法とする
そんな、ある時、あるところに
怪奇現象を文章にした嫌疑で捕まったヤナギダ(仲村トオル)と
警察から委託されて検閲するイノウエ(山内圭哉)がいました。
といわれても、アリスの穴に落ちたみたいで
なんのこっちゃですが、次第に
「ヤナギダ」と「イノウエ」のつかさどる
「言い伝え」と「事実」との境界はあいまいになり
夕暮れと明け方をたそがれ、かわたれというように、
どちらかわからないし、いつなのかもわからない
不思議な感覚に襲われてきます。
二人の間を物語は、
「あや取り」みたいに、ほどけて一本の輪になったかと思うと
複雑に絡み合って橋になったり、川になったりします。
その入れかわりがあまりに自然で
夢の中にいるような感じでもありました。
ニュースは忘れられてしまう、だから物語にして
伝えていかなければならないのだ、とヤナギダは言います。
一方イノウエは、娘の失踪を「神隠し」と言われても
決して認めることはできないのだと言います。
わたしは、どちらかというとイノウエに共感しました。
このイノウエ、最初はコテコテの関西弁で登場したのに
物語に巻き込まれていくうちに、思いっきり遠野弁になってました。
流されるタイプだからこそ流されたくないのか。
遠野弁といえば、「朝が来た」では成澤泉役だった瀬戸康史が
九州男児らしいのに遠野出身の人としか思えないのでした。
そして、舞台で見るのは初めてでしたが、銀文蝶がすてきでした。
彼女の声は、舞台で聞いてこそなのかなと。
関連記事 in my blog: 雁助さん, わくらば
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