2014.04.11 てつぞうはね

てつぞうはね
(ブロンズ新社 2013/09/20)
ミロコマチコ
二年前にこの世を去った犬のことを思い出しながら
今飼っている犬と桜の咲く川べりを歩く友のブログを読んで
この絵本のことを考えました。
おおきくてふにゃあとした感じの猫のてつぞうを
まるで抱き上げるような錯覚に陥りながら
つい何の気なしに読み始めてしまったわたしは
あっしまった・・・とちょっと後悔。
てつぞうは帰らぬ猫となってしまいます。
それからまたしばらくして、かつててつぞうがそうであったように
桜の花びらを追っかけるのが好きな二匹の猫たちが
絵本の中で無邪気に遊んでいます。
今はこの世にいない猫の思い出を
今、目の前にいる二匹の猫に語っているのか
それともこの世にいないけれど、記憶の中にいる猫に
語りかけているのか。
一度でも動物を飼って、看取ったことがあれば
元気にしている動物を目の前に見ていても
別れの記憶を忘れてしまうことはできないものです。
だけれど、そういう痛みのようなものだけではなく
二度目に飼い始めた人には
今生きている動物と、かつて飼っていた動物の両方が
ふっと寄り添ってくる瞬間があります。
という、そういう絵本なのです。
関連記事 in my blog: 疾走する猫
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