空飛ぶ色いろnatsuno07

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2011.07.02  I'd rather be a 


関川夏央の「家族の昭和」という本の中で、
昭和の青少年向け哲学書「君たちはどう生きるか」
のことを読んだところだったので、
梨木香歩が、「家守綺譚」や「f植物園の巣穴」のように
レトロ調で展開しているのかな、と読み始めましたが、
平成の14歳が主人公でした。

「子供に教える」という名のもとに
「どっきりカメラ」と同じように、
リアクションを面白がっているに過ぎないことがあるのではないか。
「空気が読めない」とか、「そのリアクションは違うでしょう」と煽るように、
「見つめなおしましょう」とか「考えてみましょう」ということばで、
虐待が公然と行われているのではないか。
そういう「群れ」の中にいることに傷ついた人が
それでもなお必要としている「群れの体温」を提供するには、
どうしたらいいか
自分は考え続けていこう、
主人公がそう思うところで終わっています。

同じ出版社から出ている別の本への痛烈な批判を含んでいることに
気づく読者もいれば、気づかない読者もいると思います。
同じ出版社と言っても、2010年に一度つぶれたので、
この本は同じ責任者の元に出版されているわけではないのだと思います。
とはいえ、この小説は2007年から2009年にかけて、
同社のウェブマガジンに掲載されていたそうで・・。
「植物図鑑の謎」みたいです。

餌場、繁殖地、子供、
それらを守るために成り立っている「群れ」は
そもそも、そんなにゆるやかに、
おだやかに結成されている性質のものではないと思います。

このあいだ「ダーウィンが来た」を見ていたら、
コンドルの成鳥は雛に飛び方を教えるのに、
残雪の山肌を選ぶと、言っていました。
強風のパタゴニアでも、
そこなら気流が安定しているからだそうです。
教育ということばもあるけど、
知恵ということばもあるし、
仕込まれるということばもあるけど、
学ぶということばもある。
岩肌にだんごになって着地した下手っぴ雛たちを、
ほれほれと追い立てているコンドルに
どう思う?と聞いてみたいような気がするのでした。

僕は、そして僕たちはどう生きるか
(理論社 2011/04)
梨木 香歩


関連記事 in my blog: f植物園の巣穴,  この世でいちばん大事な・・, 牧野植物図鑑の謎


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