2010.04.26 雲のはて

フランバーズ屋敷の人びと2 雲のはて
(岩波少年文庫 2009/10/17)
K.M.ペイトン 作 掛川 恭子 訳
馬のいななきが聞こえ、牧草のが香りしてきそうな
第一部とはうってかわって、第二部はエンジン音や機械油の匂いの世界。
父親に勘当され、整備士から操縦教官へ、
がむしゃらに自分の夢を実現させていこうとしているウィルと、
不安に揺れ動くクリスチナが結婚にいたるまでの数年が描かれます。
ウィルはフランバースでの狩猟を嫌いましたが、
命がけで夢を追いかけていく姿は、
キツネ狩りで獲物を追う兄のマークと共通した激しさがあります。
1912年、日本でいえば大正元年。
第一次世界大戦開戦は二年後の1914年。
雲に覆いつくされていく空、雲の切れ目から洩れる太陽の光
雲の上空へなんとか飛び上がろうとしている。
そんな時代の物語。
ちなみに、1900年生まれのサン=テグジュペリは
このウィルより6歳ほど若いパイロット、ということになります。
「雲のはて」はイギリスの優秀な児童文学におくられる
カーネギー賞を1969年に受賞しています。
関連記事 in my blog: めぐりくる夏
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