2008.11.09 ノーチラス号の行方

海底二万里 (岩波少年文庫 572)
(2005/08/20)
ジュール・ベルヌ 作 私市 保彦 訳
軽い気持ちで手にとった「海底二万里」ですが、
読み終えたら結構重いことに・・・。
どうして海底を歩くかな、泳げばいいのになんてことを思ったりしながらも、
とりあえずアトランティス遺跡で海底火山の噴火を見たり、
南極の氷河の下を凍りつきながらも脱出したりするシーンは
へぇへぇへぇと思いながら読んでました。
が・・・。
どこの国がどこの国に、ということはいっさい明かされていないけれど、
ネモ船長は、復讐心にかられている人でした。
ただ海の世界を愛してる、心優しい引きこもりくん、ではなかった。
SF映画なんかではありがちな設定ではあります。
なにしろフィクション
でも、アロナックス博士が潜水艦の窓から目撃した光景は、
7年前の9月11日、テレビで見たあの映像を
ありありと思い出させるものがありました。
隔絶したこちらがわで、窓の外を見ているような・・。
ほんと、いたたまれなくなりました。
「わたしには夢がある。」
アメリカ大統領選挙直後、ニュース番組では、
キング牧師の1963年のスピーチをたびたび引用していました。
夢を実現するということは・・・・。
憎悪や復讐心、孤立や妄執、貧困や病気、
奇妙な形の人間のこころに立ち向かうこと・・。
歩き出そうとするチャンスを得たに過ぎない、
そんな覚悟をにじませ次期アメリカ大統領は言います。
「わたしたちは変わることができる」
とはいえ変わることは、
夢を持ち続けることと同じように難しいことです。
どう変わりたいのか、どうやって変わっていくのか、
だけど変えてはいけないものが何なのか、
かつて少年少女のように見た夢を
大人の心で実現していかなきゃいけないのが、今という時代なんだなぁと。
ほんと、気が重くなっちゃいました・・・。
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