2018.05.08 はしっこに、馬といる―ウマと話そう II

はしっこに、馬といる―ウマと話そう II
(カディブックス 2015)
河田 桟
尻屋岬の寒立馬は本州北端の馬ですが、
この本は日本列島最南端の与那国島の馬のお話。
馬語手帖の続編です。
与那国馬も野生の馬だそうですが、
その群れからはぐれてしまった仔馬カディと
成長を見守る著者の間に
コミュニケーションができあがっていくまでの
心の流れが描かれています。
颯爽と本のページを
駆けて行ったかと思うと、
気持ちよさそうに休んでいたり
草を食べていたりする挿絵の馬に
いざなわれながら
詩集のようにも、絵本のようにも
何度もくりかえし読みたくなる本です。
たとえば寄せてはかえす波のように、
つながりながら、変化しながら、
たがいを育んでいくようなこと、
地面に結びついているようなこと
「野生」には
そういう質もあるような気がしています
ある固定した状態を守るだけではなくて、
一緒に「変化」していくということも
また「自然」であるということ。
読みながら、どうしてだか
「風の又三郎」の中で嘉介が
逃げた馬を追っかけて行く場面が
思い出されて仕方なかったのですが、
最後のほうに、カディとは
「与那国」の言葉で「風」を意味するというのを見つけ
ガラスのマントが光ったような
そんな気持ちになったりもするのでした。
関連記事 in my blog: 馬語手帖―ウマと話そう, 風の又三郎
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