2018.04.13 アンダーグラウンド 2

「地下鉄サリン事件」の被害者の
インタビュー集の中で、いくつか
心に残ることばがありました。
ひとつは、日本の競馬学校の教官として
来日していた時事故にあった
アイルランド人の男性の話していたことです。
レースの最中に馬が「もう駄目だ」
という感じになった瞬間に騎手がするべきことは
馬を励ますことだということでした。
もうひとつは、動物実験廃止の市民運動に
参加するようになったという女性の話でした。
どちらもサリン事件とは直接的には関係ありませんが、
ニンゲンも動物も生き物である
ということを感じさせられることばでした。
このことを忘れてしまうことが
ニンゲンを非人間的な方向に向かわせてしまう
そんな気がしてなりませんでした。
以前、中谷宇吉のエッセイをまとめた
「雪は天からの手紙」を読んだとき
そのロマンチックなタイトルとは裏腹に
うさぎの耳を切断する実験の話がでてきました。
うさぎの耳を持たない人間が、
それを知ることに何の意味があるんだ?
と思う実験でした。
それよりも単純にわかることがあるはず。
「耳を切ればうさぎは痛いのだ」
コリンエステラーゼの数値しか見ていない
目の前の患者の痛みを見ていない
サリン中毒の症例を欲しがっているに過ぎない
そんな医師に二次的に苦しんだ被害者もいたようです。
もちろんそういう医師ばかりではなく
必死で救命にあたった医師が
沢山いたのだと思いますが。
関連記事 in my blog: 雪は天からの手紙
よろしければポチっとお願いいたします。


にほんブログ村