2013.06.13 なつかしい本の記憶―岩波少年文庫の50年

なつかしい本の記憶―岩波少年文庫の50年 (岩波少年文庫 別冊)
(2000/06/16)
岩波書店編集部
13年前に、岩波少年文庫が創刊50周年を迎えたときに出版された本です。
岸田衿子、今日子姉妹の対談や、
「ぐりとぐら」の中川李枝子、山脇百合子姉妹の対談など
ものすごく面白そうだと思いましたが、
すでに版元品切れになっていて、書店には並びません。
そこで、古書を手に入れました。
中に「メアリー・ポピンズ」の訳者、林容吉が書いている
「メアリー・ポピンズを書いた人」という短い文章がありました。
ディズニーのミュージカル映画、「メリーポピンズ」が公開される前年、
1963年の「図書」に載ったもので、
「来年の映画の公開を楽しみにしています」と書かれています。
当時の訳者は、原作者のP.L.トラバースが、
映画化を認めたことを後悔することになるとは
全く思いもしなかったのだな、と面白い気がしました。
多くのディズニー映画同様、音楽がよくて
煙突掃除の「チムチムチェリー」や、
「一袋2ペンス」の鳥のおばさんの歌など
わたしはけっこう好きですが、でも、原作とは全く別物です。
ともあれ、本が絶版になり消えてしまわない限り、
今日もまたメアリー・ポピンズは、東風に乗って
バンクス家の玄関に降り立っている。
その物語のはじまりに、はじめて向き合っているこどもがいる。
そして、今日もまた、窓に映った扉を開けて行ってしまうメアリーに
別れのあいさつをするこどもがいる。
それを思うとなぜだか嬉しい。
まさにわたしにとって一番「なつかしい本の記憶」です。
関連記事 in my blog: 二度とふたたび
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