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空飛ぶ色いろnatsuno07

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2019.03.25  この道はいつか来た道 


konomichi201903.jpg

西荻窪のシアター2+1という小劇場で
「この道はいつか来た道」と
「バースデプレゼント」というお芝居を観ました。

「この道は・・」は別役実の作品で、
歌を口ずさみながら現れた不思議な感じの女の人と
実はその夫であるらしい男の人のやりとりが
小一時間ほどの間続くというものです。

有名な北原白秋の歌は
「ああ、そうだよ、お母様と馬車で来た道」
という風に続くと覚えていたのですが、
「馬車」が登場するのは「アカシアの花」や「時計台の丘」のあとだし
正確には「お母様と馬車で行ったよ」らしいです。
登場した女性と同じようになんだか自分も記憶が混濁しているような。
しかも同じ山田耕作と白秋が作った
「からたちの花」と微妙に混ざっていくのです。

その理由はたぶん
「からたちの棘はいたいよ」という歌詞と
お芝居の中で自分という感覚をどんどん失いかけている
女性が「痛がって死にたい」というからではないかと
思ったりするのでした。
夫婦であるという感覚をくりかえし失い
また思い出すためにお互いを傷つけあう
そんな二人なのに、透明感があって
最後は降りしきる雪の中で浄化されていくような。

誘ってくれた友達によると
演じているお二人は本当にご夫婦だそうで、
それだからいっそう台詞が面白い時もありました。
女性を演じられていた福井緑さんの声が
とても涼やかなので、時折少女のようにも感じられるところが
いいなと思うのでした。
男性を演じられた田中亮一さんが舞台挨拶の際に
「別役実のお芝居はわかったようなわからないような」と
おっしゃっていましたが、
ほんと途中からよくわからなくなったりもするだけに
ひとつひとつの台詞を丁寧に聞かせてくれる
お二人の芝居じゃなかったら、
それほどいいなとは思えなかったかもしれません。

そういえば、如月小春の
「工場物語」に出てくる男女ともどこか似ているような
そんな気がしていました。

関連記事 in my blog: 光の時代ー Le Temps de Lumiere


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2019.03.16  Endless Shock 2019 


和田倉門
(和田倉門あたり。オンマウスで、別のアングル。)

今年もEndless Shockを観に行ってきました。
東京駅で降りて、帝劇まで歩いていく途中
夕暮れを背景にした和田倉門を見ながら
平成ももう残りわずかなんだなと、しみじみとしてしまいました。

平成12年が初演なので、
平成年間のうちの19年上演され続け、
Endless Shockというロゴにもすっかり風格が感じられます。
その間、東京駅はすっかり綺麗になったし
お隣の東京会館はいつの間にか建て替えられているし。
よく考えると、時代はすっかり変わったような気がしますが、
終演後に、「今までで一番良かったぁ」
と思いながら、劇場の外に出てくるのは今年も同じだったのでした。

そうは言っても平成を振り返る気持ちで考えると、
その年ごとに感動があって、
その中には、もう見ることはできないかもしれないシーンもあるし
自分が一番良かったと思う気持ちの根拠は
いったいどの辺にあるんだろう、と考えたりもしました。

今年はオーケストラの生演奏になって、
音にやさしい包容力が生まれました。
そこにしかない時間というものが感じられます。
同じ場所で同じ空気を伝わって聞こえてくる
楽器の響きもまた、台詞や歌と同じなんだなと思いました。
1幕の最後の殺陣も美しさがいや増してすごかったです。

舞台のニューヨークは今の時代なのかと思うと
パンナムのスッチーがいたり
実は劇場の亡霊なのか、なんだか謎です。
「今しかない」ものと、「変わらずにありつづけるもの」
それが同時にある舞台で
特に「今」が輝くから、今年が一番良かったと思うのかも。
今年は梅田にも観に行きたいなぁ。
問題は、チケットが取れるのか。

shock201903.jpg
(今年もパンフレットと一緒にデジカメできたうちの文鳥、桜にとまっている風。)


関連記事 in my blog: Endless Shock 2018, すみれ色してた窓で


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2018.08.30  ナイツ・テイル つづき 


Knightstale20180830-3.jpg
(ナイツテイル 終演後。)

ナイツテイルは、「二人の貴公子」を原作にしていますが、
「真夏の夜の夢」のようなコミカルな展開でした。
声をあげて笑ってしまう場面もたくさん。
男の人って無邪気よね、
という可愛さと、この可愛らしさゆえに
どうしてそうなる?という危機的状況が回避されて
ハッピーエンドとなります。
無理に笑え、無理に楽しめというコメディではなくて
井上芳雄と堂本光一の明るさ、朗らかさを持ってして
思わず笑わせてくれる感じでした。

演出家のジョン・ケアードの解説によると
シェイクスピアは「牢番の娘 フラヴィーナ」に注目していたそうです。
たしかに、エミーリアとフラヴィーナの関係も
二人の騎士と同じくらい面白いものだと思いました。
フラヴィーナは囚われのパラモンが好きになって
牢から逃がしてやる女性です。
ナイツテイルではパラモンが気づいてくれたから
よかったけれど、
原作のフラヴィーナは、逃がした男パラモンに裏切られ
正気をなくす泥沼展開だとか。

さらに面白いのはフラヴィーナが、
エミーリアの長年さがしていた少女時代の友であった
というところです。
優等生的なエミーリアのシャドウみたいな存在。
女性の女神っぽさもいいけれど、魔女っぽさも観てみたい。
そんなことをちらっと思ったのでした。

きのう千秋楽だったというニュースを今朝見かけました。
二階席から見たのでちょっと違う印象。
一階だと客席から見上げる感じになって、
舞台が確かに森に見えます。
まずは、このアングルで観たかったなと思ったりしたのでした。

関連記事 in my blog: ナイツ・テイル


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2018.08.21  ナイツ・テイル 


ナイツテイル
(オンマウスで、真夏の夜の帝劇。)

帝劇で、ミュージカル、ナイツ・テイルを見ました。
それほどミュージカル好きというわけではない自分には
猫に小判であったかも。

そうではありましたが、
堂本光一演じるアーサイトの
つややかな髪の後ろ姿。
音月桂演じるエミーリアのしなやかな
ハンサムウーマンっぷり。
井上芳雄演じるパラモンの
カッコイイのに微妙にうじうじする可愛さ。

などなどに心をうばわれあっけにとられているうちに
終わっていたのでした。

ダンスミュージカルというほど踊りが
多いようには思えませんでしたが、
ちょっと踊るその踊りにもわくわくします。
堂本光一は、クラッシックやモダンな踊りも
いっそ日舞もいけるのではなんて思えてしまう。
ミュージカルは歌を聞きたいのであって
踊りは特にいらないという人も多いのでしょうが
わたしはどっちかというと
踊りが見たいんだなぁと改めて思ったのでした。

関連記事 in my blog: Endless Shock 2018


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2018.03.28  Endless Shock 2018 


Endless Shock2018
(オンマウスで、帝劇前の様子。)

今読んでいる「細雪」の中に、ちらっと帝劇が出てきました。
お隣の外国人が帰国していく直前、
一緒に大急ぎで東京見物をする場面です。
註がついていて、
「パリのオペラ座に模して建てられたわが国初の純洋風劇場」
とありました。
どうやら、「細雪」の頃帝劇は洋風建築だったらしいです。
あの時代の人が幽霊になって今の日比谷に現れたら、
気付かず通り過ぎてしまうかもしれません。
でも、そこに今も劇場があることに気づけば
ちょっと中に入って見たい気持ちになるのではないでしょうか。

今年も帝劇でEndless Shockを見ました。
2幕には場面転換の暗がりの中で
青い人魂がいくつも浮かび上がって
踊っているように見えるシーンがあります。
古い小劇場にいる幽霊たちの、
火のように熱くも、氷のように冷たくも見える影のような。
その暗がりから一転、
まぶしいくらいのライトをあびた主人公が登場して
「この世」でショーを行うのです。
実はこの流れは一幕の最初にも軽くあるのですが、
二幕ではそれがさらに美しくダイナミックになっています。
いつもこの場面を見ていると
松谷みよ子の「あの世からのことづて」を思い出すのです。

今年は、新しいキャストに代わって
場面場面が違った雰囲気になり、
新しい感動を受けて帰ってきました。

関連記事 in my blog: Endless Shock 2017, あの世からのことづて


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2017.07.02  レミング 座・高円寺 


reming0_.jpg

寺山修司のレミングを観てきました。
このお芝居、
1983年に、寺山修司好きの人にチケットを取ってもらって
横浜教育文化ホールで観たことがあります。
寺山修司が亡くなった直後でした。
今は、横浜教育文化ホールも無くなってしまったそうです。
ストーリーはすっかり忘れていましたが、
一緒に行った人がダビングしてくれた
J.A.シーザーの音楽の入ったカセットは、
何度もくりかえし聞いていたので
話は忘れているのに、もう何度も見たように感じました。
このカセット、MDに録音し直したというのに、
いつの間にかMDデッキもなくなり、もう諦めてました。
今回CDを買うことができたので、また音が戻ってきました。

床下にいる「面倒くさい」母親や、
患者に話を合わせている看護婦
フィルムがはいっていないとわかっていて
カメラの前で演技をしてみせる女優
嘘と本当の壁が不確かなのに、
魅力的な女性たち。
一方、男たちはちょっと我慢強いというか、
自分を殺しているというか、誰が誰やらわからないというか。
そして、ラスト近くのダイ・インのような場面は
いまどき比喩とも思えない気持ちでした。

上野紀子の絵に出てきそうな帽子をかぶった女の子が
白兎を抱いていたり、
明かりのともった小さな家が並んでいたり
この間の身毒丸とはまたちがったメルヘンチックな世界でありながら、
グロテスクさもある、不思議な魅力の舞台でした。

reming1_.jpg
(1983年のパンフレットは、合田佐和子の絵)

関連記事 in my blog:  身毒丸


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2017.04.12  ドン・ジョバンニ 初演の劇場 


天井桟敷
(プラハ スタヴォフスケー劇場の天井桟敷から/ オンマウスでカーテンコール)

結局、村上春樹の「騎士団長殺し」を読み始めました。
タイトルが、「ドン・ジョバンニ」由来と知って興味深々だったのです。
今は、しょっぱなの殺人のシーンを描いた古い絵がでてきて、
なんだ、なんだ、どうした、どうした
という展開になっている、さなかです。

今をさること20年以上前、
クラッシック好きの友人に、一度オペラを観てみたいと頼んだら、
それほど高くなくて、そこそこ楽しめるものをということで、
プラハ国立劇場の来日公演に誘ってもらったことがあります。
オーチャードホールで、演目が「ドン・ジョバンニ」。
白と黒のシンプルな舞台美術の斬新な演出で、
舞台の奥行きを利用して、光と影、エゴイズムとラブ、この世とあの世、
相対するイメージが何層にも重なっていると感じられるようでした。
そこにあくまでも自分本位なドン・ジョバンニの魅力、
歌舞伎の「色悪」や、カルメンも同じ
「悪者」の色っぽさが全開でした。
ほかの演出も知っている人からすると、今一つだそうですが、
なんといっても初めて観るわたしには
「ドン・ジョバンニ すごい」、「ドン・ジョバンニ 面白い」
といった「ピタとゴラ」状態の感動がありました。
それからずっと、いつかプラハに行ってみたいと思っていました。

3年前にようやくプラハに行くことができましたが、7月なので、劇場は夏休み。
唯一観光客用に開けているエステート劇場(スタヴォフスケー劇場)で、
ドン・ジョバンニを観ました。
1787年、この劇場で初めてドン・ジョバンニは上演されたそうです。
こじんまりとした劇場で、演出は、オーソドックスで、真面目でした。
(ドン・ジョバンニなのに)
夕立に濡れながら飛び込んで、3階席
大入り満員じゃないので、若干盛り上がりに欠けましたが、
20年前日本で見たときの5分の1くらいの価格で
結構素敵なオペラが楽しめてしまったのでした。

天井桟敷
(スタヴォフスケー劇場舞台/ オンマウスで座席を見上げたところ)


関連記事 in my blog: Hotel Paris プラハ その1


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