空飛ぶ色いろnatsuno07

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2017.02.26  だれが、ヘドウィックを 


nogamo1.jpg
(岩波文庫 原 千代海訳)

イプセンの「野鴨」は、
「ロミオとジュリエット」の変奏曲という説も・・
というので二つの戯曲を読み比べてみました。

パリスとの結婚を嫌がるジュリエットを
もう自分の子ではない、とののしるキャピレットと、
自分の子供でないかもしれないと知ったとたんに
ヘドウィックを追い払うヤルマールは
器が小さいという意味では似ているかもしれません。
でも、それだけで変奏曲というほどのものなのか
いまひとつわからないのでした。
そもそもヘドウィックの死がとても不可解です。

彼女の出生の疑惑を暴き立てることで、
真の幸福が生まれるはずと思ったグレーゲルスでしたが、
実際は、それを知ったヤルマールが
やけくそになっただけでした。
それでグレーゲルスは、ヘドウィックに
「大事にしている野鴨を殺すことで
父親ヤルマールの愛情を取り戻すことができるかもしれない」
とけしかけるのです。
これも意味がわからないけれど、キリスト教的な
自己犠牲という考えなのかもしれません。
ここは、いっそファンタジーで、
ヘドウィックは野鴨の生まれ変わりでした・・
とでも言ってくれるほうがまだわかるという。

「だれがヘドウィックをころしたの?」
「それはわたし、と野鴨が言った」
「かわいそうなヘドウィックのため
なりわたるかねをきいたとき
みずどりたちは いちわのこらず
ためいきをついて すすりないた」

マザーグースの歌など思い出しながら、
結城座の「野鴨中毒」は確かに「野鴨」の変奏曲だったけれど、
変奏曲のほうがずっといいなと思うのでした。

関連記事 in my blog: 野鴨中毒,  それはわたし、とスズメは云った

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