空飛ぶ色いろnatsuno07

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2011.08.15  野川 


主人公は、両親の離婚をきっかけに、
東京西部の河岸段丘にある中学へ転校することになります。
元サッカー部。新しい学校でも続けるつもりでしたが、
遠征試合に保護者のサポートが義務付けられると知って
国語教師が顧問をする「新聞部」に入ることに決めます。
主たる活動は「伝書鳩」の通信訓練。
わたしが主人公と同じ立場だったら、
とりあえず、鳩は面白そうだけれど、
「国語の河合はめんどうくさい」と思うだろうな
というようなことを考えながら読んでいました。

「意識を変えろ、ルールが変わったんだ」
転校先の教師にこんなことを言われたら、ちょっと引く。
そして、誰かの見たという蛍の話を聞かされたあとには、
「自分の目で見ないと気がすまないのではない。
自分の目で見たわけでもないことを、自分のものと思いたくはないだけ。」
と言いたくなると思う。

「田植えでも、乳搾りでも、ほんの一日の体験じゃだめなんだ。
そんなことより五十年も六十年も田植えをしてきた人の話を聞いたほうがいい。
牛の目の色や、馬の耳のことを、ちゃんと語れる人の話しを聞きたい」


と主人公は河合が「話」をしてくれるように頼みますが、
田植えは頭の中でするものではないし、
頭の中にお米は育たないのに。

それはともかくとして、
「国語の河合」の「螺子の話」は好きでした。
「一応覚えておく。」
そういう10代気分を思い出しつつ
鳩が出てくると、無条件に素直になる単なる鳥好き。
ようやく飛び立った伝書鳩の視界が
主人公のこころに流れこんでくるラストがとても好きでした。

野川
(河出書房新社 2010/07/14)
長野 まゆみ


関連記事 in my blog: がっこうかっぱのイケノオイ  ホタルのひかり


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