空飛ぶ色いろnatsuno07

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author: natsuno07 ♀
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2017.05.14  とこよのくにのうらしまさん 


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とこよのくにのうらしまさん
(くもん出版 2012/3/30)
伊根町立本庄小学校の子供たち・たじまゆきひこ

ずいぶん前に、丹後半島を旅行した時、
朝、登校していく小学生たちに
「おはようございます」と声をかけられた
さわやかな朝の思い出があります。
これは、その丹後半島、
伊根の子供たちが描いた絵本です。

竜宮城はここでは、とこよのくにと呼ばれ
その不思議な国は、海の向こうにある異界とも
死者の住む国とも言われているそうです。
そこで、かめひめ(乙姫)と夫婦になった浦島が、
もといた村にかえると、すでに100年の時が経っています。
姫から渡された「たまくしげの箱」をひらくと
そこからかめひめが現れ、ふたたび二人はとこよの国に戻ります。
アトリーのフェアリーテイルともちょっと似ています。

この絵本で何よりもすごいと思ったのは、
漁に出た浦島が姿を消したあと、
村人たちが夜となく、昼となく船を出して、
さがしまわっている姿が描かれていることでした。
いなくなった浦島をこんなに多くの人が
必死に探していた、
その哀しみの姿を描いている「浦島太郎」はめずらしいと思います。
漁村に生きる人たちの願いと祈りを感じます。

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丹後半島、伊根。カモメが飛び交っていました。

関連記事 in my blog:  うらしまたろう その2, アトリー 妖精のおよめさん


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2015.04.25  たんぽぽはたんぽぽ 


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たんぽぽはたんぽぽ
(大日本図書 2015/04)
おくはら ゆめ

西荻窪の絵本屋さん「URESICA」で、この4月に出版されたばかりの
「たんぽぽはたんぽぽ」はじめ、おくはらゆめの絵本の原画を見てきました。
春ですね。
うちの文鳥もようやく換羽がはじまり、
長かったタマゴシーズンが終わりました。
今は尾羽が短くなっちゃって、バランスがとりづらくなっています。
羽根づくろいが普段以上に大変なので、消耗するのか
時々ぼおっとしていたりします。
そんなグロッキーぎみの春に
小さな、小さなささやきが、しゃきんとさせてくれる絵本
「たんぽぽはたんぽぽ」

登場するのは、たろう、すずめ、たんぽぽ、ありんこ、ねこ
みんなででんぐり返しをする春の野原
それから、それぞれに
空が見えるなぁという、春の絵本です。

自分は、自分。ひとはひと。
なんていう独立している感じともちょっと違う、
あなたの、あなたらしさに呼びかけているような
わたしの、わたしらしさを伝えようとがんばるような
そうか、成長するということは
そういうことかと思ったりするのでした。

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2014.05.04  つつじのむすめ  


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つつじのむすめ (あかね創作えほん 5)
(1974/11)
松谷 みよ子 文 丸木 俊 絵

ツツジにまつわる民話です。

遠方の村の祭りに招かれ出会った男と恋に落ちた娘は、
男のことが忘れられず、毎夜五つも山を越えて逢いにいきます。
最初はお互いにいとおしく思いあっていたのに、
やがて男の方が、娘の疎ましいと感じはじめ、
ついには娘を魔物と呼んで崖から突き落としてしまいます。
のちに、あたりにはその娘の血の色のようなつつじが
咲き乱れるようになったとさ、という話。

余韻の残る松谷みよ子の文章に、
瑞々しく山の香りがするような丸木俊の絵。
どのページにも、はっとするような美しさと怖さと
はかなさがあります。
二人の出会う祭りの晩の絵では闇が強調され、
娘がつきおとされた谷を崖から俯瞰している絵では
白々とした光が支配しています。

毎夜やってくる娘の両手には
つきたての餅がのっています。
娘がものすごい勢いで駆けるので、
出がけに握りしめた餅米が、
到着する頃には餅になっていたというのです。
ちょっと笑いますが、うっすら怖い。
もし子供の頃読んだなら、餅の部分ばっかりが
気になって、「つつじむすめ」どころか
「もちむすめ」な印象だったかもしれません。

つつじのむすめ


関連記事 in my blog: うさぎのいえ

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2014.04.24  ちょっとだけまいご 



ちょっとだけまいご
ちょっとだけまいご
(2012/10)
クリス ホートン

商品詳細を見る

この絵本、表紙のフクロウももちろんのこと、
他に登場してくる、リスやカエルの絵がとても愛らしいです。
そのリスやカエルが奔走して
巣から落ちたフクロウの雛を助けて、
おかあさんフクロウに届けるほのぼのしたお話。ただ・・

フクロウって、リスやカエル食べるよね。

はたして、この話はブラックユーモアなのだろうか??
お人よしならぬ、おリスよし、おカエルよしがあだとなり
ふらふらと天敵の巣に来てしまった二匹。
この組み合わせで、めでたくお茶にビスケットなんてありえない。
いくら子供の絵本とはいえ捕食、被食の関係にある動物が
仲良くするのはムリがあるぞ、と思っておりました。

それが「動物を守りたい君へ」を読んで、
ちょっと思ったことがあります。
現実でもフクロウの雛が育つのを助けるのは、
他でもないリスやカエルたち。
彼らがいないところで、フクロウは雛を育てることはできない。
彼らがいること、そしてフクロウがいること
そういうメッセージが秘められているのかなと。

関連記事 in my blog: 動物を守りたい君へ,  みんなだれかに

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2014.04.11  てつぞうはね 


tetsuzo.jpg
てつぞうはね
(ブロンズ新社 2013/09/20)
ミロコマチコ


二年前にこの世を去った犬のことを思い出しながら
今飼っている犬と桜の咲く川べりを歩く友のブログを読んで
この絵本のことを考えました。

おおきくてふにゃあとした感じの猫のてつぞうを
まるで抱き上げるような錯覚に陥りながら
つい何の気なしに読み始めてしまったわたしは
あっしまった・・・とちょっと後悔。
てつぞうは帰らぬ猫となってしまいます。
それからまたしばらくして、かつててつぞうがそうであったように
桜の花びらを追っかけるのが好きな二匹の猫たちが
絵本の中で無邪気に遊んでいます。

今はこの世にいない猫の思い出を
今、目の前にいる二匹の猫に語っているのか
それともこの世にいないけれど、記憶の中にいる猫に
語りかけているのか。

一度でも動物を飼って、看取ったことがあれば
元気にしている動物を目の前に見ていても
別れの記憶を忘れてしまうことはできないものです。
だけれど、そういう痛みのようなものだけではなく
二度目に飼い始めた人には
今生きている動物と、かつて飼っていた動物の両方が
ふっと寄り添ってくる瞬間があります。
という、そういう絵本なのです。

関連記事 in my blog: 疾走する猫

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2013.07.07  たなばた (こどものとも傑作集) 


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たなばた
(福音館書店 1977/04/01)
君島 久子 再話 初山 滋 画

七夕は恋に夢中で、はた織を忘れた織姫と
牛の世話をしない牽牛が天の川で隔てられ
一年に一度しか会えなくなるという話だと思っていましたが、
この絵本では、二人は男の子と女の子がいる夫婦。
母に会いたいと、柄杓で天の川の水をくむ子供たちの姿にほだされて
天が一年に一度だけは会えるようにしてやったというお話です。

五色の短冊に願い事を書いて、笹の葉につけるというお祭りは
日本だけの風習なんだとか。
この絵本は、その日本の「笹の葉さらさら」な雰囲気があって
リズムカルな音楽のような絵です。
光と水が戯れているような、踊っているような絵でもあります。
「ききみみずきん」でもそうでしたが、
ガチョウやカササギ、など鳥の絵が素敵です。

ところで、初山滋の絵は、小学生の頃使っていた
国語の教科書の表紙の絵だということに
この絵本を見ていて、はたと気づきました。
さがしているうちに、光村図書の「教科書コロニクル」という
ウェブページを見つけました。
あぁ、そうだったなぁと、とても懐かしかったです。

関連記事 in my blog:  ききみみずきん, 「くまのこ」と「しっぽ」,  たなばた


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2013.06.27  トマトさん  


いつもなにかと美味しいものを教えてくれる友が、
京都の地野菜を送ってくれました。
開けるといい香りの万願寺唐辛子。そして元気なシメジ。
どちらも炒めて塩を振っただけなのにものすごく美味しかったです。
そして、友おすすめのトマト。これが、もう
「美味しい」
食べた瞬間、「夏」が、しかもただ暑いだけの「夏」じゃなく、
川の輝きや青空や風鈴の音と一緒におしよせるのでした。

皮を湯剥きすると、「皮だけ赤かったのね」という
青白トマトにすっかり慣らされてしまっておりましたが、
このトマトは、湯剥きするといっそう赤い色がきれい。
まな板の前でうっとりするのでした。

さて、こちら絵本の「トマトさん」。
児童書探検をはじめた数年前に、はじめて読みました。
その時は、こんな絵本が!!とのけぞりましたが、
気がつくと、本屋さんでみかけることも多く、
なんと「トマトさんぬいぐるみ」もあるということだから人気者です。
ブログに書こう、書こうと思いながら、書けずにいましたが、ついに登場。

トマトさんは、人(とかげや虫たち)を動かす、
トマトさんは周囲がほおっておけない、
パッションフルーツならぬ、パッション野菜なんだな、
と、なんだか友の送ってくれた「トマトはん」を食べながら思うのでした。

tomato.jpg
トマトさん
(福音館書店 2006/07/15)
田中 清代

関連記事 in my blog: ひみつのカレーライス,  たんじょうび


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